北大経済学部大学院「経済思想史」2003-2004

橋本努担当(研究室:経済519、内線2777

 

 

 

1.授業の目的・内容・方法

 

 この講義では、ヨーロッパで精力的に活躍しているニコライ・フォスの企業組織論、および、その周辺の理論を取り上げます。思想というよりも経営学の最新の理論(例えばリソース・ベース理論やコンピタンス理論など)を、現代の経済秩序および政策の理念としてどう生かすべきかについて考えます。フォスはオーストリア学派経済学のバックグラウンドをもつ経済学者ですので、知識論や自由論などが関連のあるテーマになるでしょう。

 講義方法は、参加者による発表を中心に議論します。

 

 

2.使用教材

 

 経済思想史に関するスタンダードな理解をこれから得たいという人は、太田一廣ほか編『経済思想史――社会認識の諸類型――』名古屋大学出版会,1995.を事前に読むことを薦めます。

共通の教材として、オドリスコル=リッツォ著『時間と無知の経済学――ネオ・オーストリア学派宣言』勁草書房1999.\4,000-を用います。

その他、英文の著作および論文については、コピーを配布する予定です。

以下の著作を予定しています。

 Resources, Technology and Strategy

  Entrepreneurship and the Firm

 Economic Organization, Capabilities and Co-ordination

  Resources, Firms, and Strategies

  Towards a Competence Theory of the Firm

 

 

 

3.成績評価の方法

 

出席と発言の積極さを評価するほか、授業内容に基づくショート・エッセイ(2,000字程度)を六回提出し、それをまとめてファイナル・エッセイ(16,000字程度)を作成します。なおエッセイはすべてその都度、参加者の間でメーリングリストを用い、投稿・閲覧・検討・議論できるようにします。エッセイはいずれも、emailとプリントアウトしたものの両方で提出してください。

 評価は絶対評価です。また評価のポイントは、以下の点です。(1)授業に用いた文献資料を正確に読解できているか。(2)自ら問題意識を持って授業を消化したか。(3)自らの問題意識にしたがって文献資料を調べ、授業を超えた理解に到達しているか。

 

 

 

4.履修上の注意事項

 遅刻および欠席をされる場合は、必ず事前に橋本努研究室(内線2777)まで連絡されたい。